2013年2月に走ったトランスオキナワフットレース(T.O.F.R)の完走記です。
日時:2013年2月9日~11日 (スタート時間は3日間とも6時)
コース:沖縄本島1周(スタート那覇市・旭橋~時計回りに1周~ゴール那覇市・旭橋)
距離:324km(1日目99km、2日目123km、3日目102km)
制限時間:1日目16時間、2日目18時間30分、3日目16時間
参加人数:48人
2月の3連休に「トランスオキナワフットレース」に参加してきました。今回が第1回目ということで、どんな大会かと思いエントリーをしました。スタートからゴールまで一気に走る超長距離大会は何度か出ていますが、324kmを3日間に分けて走るステージレースは初めてだったので、どんなことになるか楽しみでした。今回の大会は距離的には大丈夫だと思いましたが、その日その日の制限時間がきつくて、時間との戦いになると考え、ペース配分をどうするかが完走の秘訣だと思いました。ウルトラの後半のペースは予想していてもその通りにいかないことはよくある事なので、その辺は経験でカバーしていこうと思いました。ということで、初めてのチャレンジでいろいろなことを考えながらも、ワクワク気分でスタートを向かえることとなりました。
2月9日(1日目)
那覇市・サンロイヤルホテル~国頭村・国頭ホテル 距離99km 制限時間16時間
朝4時に起床。前日にコンビニで買っておいた朝ご飯を食べて、走る準備をして、スタート地点のサンロイヤルホテルに向かいました。到着すると、すでに走る準備をしたランナー達がいて、話をしながらスタートを待ちました。記念撮影をして6時02分にスタートしました。日の出前の暗い那覇の市街を北に向かって走っていきます。しばらくすると日が出てきて明るくなってきました。天気は曇、気温は18度位で走るにはいいコンディションです。しばらくは何人かのグループで走っていましたが、10km位まで来るとバラバラになって単独走となりました。最初のエイド、喜名番所エイド(27km)に到着。まだ前半なので、補給をしてすぐに出発しました。しばらく走ると田場さんが応援に来てくれていました。差入れをもらい、しばらく話をして別れました。まだ体も脚も元気なので、ペースを上げて順調に進んで行きます。恩納村に入り万座ビーチ、かりゆしビーチと海沿いの道は進みます。かりゆしビーチエイド(55km)に到着。補給をして、名護市に向かって行きます。今、沖縄ではプロ野球のキャンプがされており、名護市では日本ハムがキャンプをしていて、歓迎ののぼりが立っていました。名護市内を抜けて、大宜味村に入り、真喜屋エイド(77km)に到着。この辺りからだんだん田舎になってきます。海沿いの道で景色はいいのですが、ちょっと風が強くて大変でした。とはいえ、まだ元気なので順調に走り、おおぎみ道の駅エイド(89km)に到着。明るいうちにゴールできそうなペースでしたので、補給をしてすぐに出発しました。その後も海沿いの道を進み、国頭村に入るとゴールは間もなくです。国頭村役場を通過してしばらく進むと、1日目のゴール「ホテル国頭」に到着しました。タイムは11時間43分(17時45分)で、まだ18時前ということで日が沈む前に着きました。体も脚もさほどダメージなく、順調な1日目でした。荷物を受け取り宿泊場所までスタッフの車で送迎してもらいました。今日の宿は「かりゆし荘」で普通のアパートみたいな部屋に1部屋4人ずつ泊まります。部屋のお風呂(ユニットバス)に入り、本館(徒歩5分)まで行って食事を取りました。同室のランナーも20時前にはゴールしました。連日走は、次の日までにいかに回復させるかが大事なので、湿布を貼る人、低周波マッサージ器でマッサージをする人など皆さん工夫をしていました。そして、翌日の準備をして、22時頃に消灯しました。
2月10日(2日目)
国頭村・国頭ホテル~宜野座村・ペンションきちむい 距離123km 制限時間18時間30分
4時30分に起床。朝ご飯はコンビニオニギリ2個とカップスープと牛乳です。足りないですが、仕方ないので全部食べてスタート準備をしてスタート地点に向かいました。第2グループなので6時15分にスタートしました。2日目スタートできたのは41人。今日は123km、制限時間18時間30分と3日間の中で一番きついです。時間的に夜中12時までに到着できればいいと考えて走りました。昨日に同様、天気は曇、気温は18度位で走るにはいいコンディションです。前日に99km走っていましたが脚は問題無く走れました。本島最北端の辺戸岬を目指して4人でペースを作りながら走りました。辺戸岬エイド(20km)に到着。ここまで1km6分ペースで走りましたが、この先は起伏があるので、上りは歩くようになります。「やんばるくいな」が生息している地域で、何もない自然の中の一本道を走っていきます。長い上りが続き、上りきると長い下りが続きます。上りは当然大変ですが、下りは脚に負担がかかるので、何度も何度も上り下りを繰り返しているうちに、脚にダメージが溜まってきます。集落に下りてきて、やんばるの里エイド(29km)に到着。次のエイドまでは37kmあるので、しっかりと補給をして出発。再び自然の中の上り下りの道を進んで行きます。人に会うこともなく、車もたまに通る程度です。ランナーにもほとんど会うことなく、たまに会うと嬉しくなります。また、車で移動しながらエイドをしてくれるスタッフがいるので、たまに会うと飲み物を頂いたりしました。前のエイドから約5時間かかり、高江協同組合エイド(66km)に到着。ここもまだ山の中なので、出発しても再び自然の中の上り下りの道が続き、容赦なく脚にダメージを与えてくれます。長かった国頭村から東村に入り、サンライズひがしエイド(80km)に到着。お腹が空いたので、腰を下ろしてオニギリ、おいなりさん、サンドイッチなど腹ごしらいをして出発しました。残りは約フルマラソンの距離です。時間的には多少余裕が出てきたので、翌日のことも考えて、脚と時計と相談をしながら進みました。18時も過ぎて、日が沈んできて暗くなってきたのでライトを点けました。真っ暗な道でライト無しでは進めません。ライトを頼りに歩いたり走ったりしながら進み、わんさか大浦パークエイド(105km)に到着。暗い中でスタッフが待っていてくれました。先に到着したランナーも休んでいました。補給をしてゴール目指して出発。真っ暗な道ですが、辺野古基地の横は照明もあり明るくてホッとしました。宜野座村に入り、ゴール手前の交差点を左折して、ここから約4km進めばゴールです。真っ暗な道を進んでいると、先にライトを振っているスタッフが見えてきました。最後は細い道に入り、2日目のゴール「ペンションきちむい」に到着しました。タイムは16時間52分(23時07分)でした。予定よりも早く到着できたので、その分、多く休めます。まず食事(お弁当)とビールを頂き、その後、今日の宿「ペンションさばに」まで、急な下り坂を1分ほど下って着きました。25人がいっしょに泊まるのですが、まだ数人しか到着していませんでした。シャワー(お風呂は無し)を浴びて出てくると、数人のランナーが到着していました。みんな、かなりダメージを受けているようでボロボロ状態でした。まだ到着していないランナーもいましたが、明日もあるので、2階に上がり布団を引いて寝ました。
2月11日(3日目)
宜野座村・ペンションきちむい~那覇市・サンロイヤルホテル 距離102km 制限時間16時間
4時30分に起床。1階に降りていくと昨日の夜中に到着したと思われるランナーが着替えもせずに倒れて寝ていました。例えるなら野戦病院のような感じです。昨日、ゴールできたのは25人ということで、その中でも後ろの方のランナーはいっぱいいっぱいだったようで、ご飯を食べることも、シャワーを浴びることもできないような状態だったようです。しかし今日も大会は続きます。5時から朝ご飯(おにぎり、卵焼き、スパム、味噌汁)を食べて、準備をして、スタート地点に向かいました。今日も第2グループなので6時15分スタートです。3日目ともなると体や脚が動かなくなってしまっている人も多く、スタートできたのは38人でした。その38人の中でも、多くのランナーは満身創痍の状態で、しっかりと走れているランナーは数人でした。今日は102kmと昨日よりも距離は短いですが、16時間という制限時間内にゴールまで着けるかどうかです。ダメージは多少あるものの、しっかり休めたし、回復しているので、順調に走れていました。しばらく走ると明るくなってきたので地図を見ながら単独走です。今日は街中を走るコースなので補給の心配はいりませんし、人がいるので気分的にも楽です。石川の駅エイド(19km)に到着。昨日よりは遅いペースですが順調なペースです。うるま市に入り、街中なのですが起伏が多くてペースが思うように維持できません。翌週のおきなわマラソンの会場である陸上競技場を通過したところで、一日目に続き、田場さんが応援に来てくれていました。差入れを頂き、しばらく話をして別れました。脚はだいぶきつくなってきましたが、走ったり歩いたりしながら、なんとか進み、内間ローソンエイド(47km)に到着。雨が降ってきたのでウインドブレーカーを着ました。雨が強くなってきて、風も吹いてきて、歩いていると体が冷えてしまうので無理をして走りました。南城市に入り、知念岬を進むのですが、街中と違い、昨日の山の中のような起伏がきつい道が続き上りは走れずに歩きます。そのせいでペースが維持できなくなってきます。残り約40kmの道の駅で時計を確認すると、予定の時間より遅れていて、時間的に余裕がありませんでした。やはり最終日の16時間はきついなぁ~と思いながら、仕方ないので脚を犠牲にして時間を稼ぐ作戦と取りました。上りは早歩き、平地は走る、下りは激走をしながら進み、おきなわワールド入口エイド(75km)に到着。時間はだいぶ稼げましたが、脚と体には相当なダメージを受けていました。しかし、今までの経験で、このダメージで残り27kmならなんとかなると思いました。体がきつくても、時間的に目安がつくと精神的に楽になります。後は進み続ければいいだけなので時計を見ながらペースを維持して進みました。途中、昨日でリタイヤしたランナー4人がレンタカーを借りて移動エイドをしてくれていました。この大会はリタイヤ者が多く、そのランナーたちの思いも背負って自分は完走しなければと思いました。そんな思いを胸に秘めながら進み、ひめゆりの駅エイド(85km)に到着。18時過ぎで、まだ明るかったですが間もなく日も沈むのでライトを準備しました。暗い国道をしばらく進んでいくと糸満市に入りました。街中になって、お店や明かりもあって助かります。しかし、大きなバイパスを渡っていく橋がわからず、地元の人に教えてもらいながら、その度に道を修正して進みました。そんなことを何度か繰り返して最後のエイド、道の駅・豊崎(94km)に到着。道の駅が閉まっていてエイドを見つけるのに一苦労しました。エイドを出発して間もなく那覇市に入りました。那覇空港に沿って進み、遠くに那覇の市街が見えてきます。明治橋を渡り、次の信号が旭橋の交差点です。交差点の向こうにスタッフが待っていてくれて、最後は並走をしながらゴールまで導いてくれます。細い道に入り右折すると2日前にスタートしたサンロイヤルホテルが見えました。スタッフやリタイヤしたランナーが迎えてくれる中、ゴールテープを切ってゴールしました。タイムは14時間48分(21時03分)で4番目のゴールでした。とりあえずビールを頂き、一息ついていると、次々とランナーがゴールに入ってきました。共に走った仲間のゴールをみんなで祝福しました。3日目にゴールできたランナーは18人でした。
最終的な結果は、総合タイム43時間23分で順位は4位でした。3日間すべて完走できたランナーは14人しかいなく、完走率は29%と、この大会の過酷さを物語るような結果となりました。とはいえ、自分の中では、ちょっと時間的にきついこともありましたが、精神的には追い込まれることもなく、楽しみながら走れた大会でした。来年以降、どうなるかわかりませんが、また参加をしたいと思いました。