2010/09/19 第13回雁坂峠越え秩父往還143km走

ウルトラ完走記

2010年に参加した「雁坂峠越え秩父往還143km走」の完走記です。

日 時 2010年9月19日(日)~9月20日(祝)

6:00スタート 制限時間24時間

コース 甲府駅北口~山梨市~広瀬湖~雁坂峠~秩父市大滝地区~秩父湖~秩父市内~

正丸峠~日高市~川越市「湯遊ランド」 全長143km

参加者 194人

甲府駅北口(スタート) 0・0km(6:00)

「雁坂峠越え秩父往還143km走」に参加してきました。この大会の特徴は、標高2082mの雁坂峠を越えるコースです。峠を越える途中の13km位の間は完全な登山道で、走ることはおろか、歩いて登るのも大変な道です。そんな超ハードな143kmを走るために194人のランナーがスタート地点の甲府駅北口に集まりました。そして記念撮影後、6:00にスタートしました。

まずは、第1CP(チェックポイント)雁坂峠登山口の広瀬湖を目指し国道140号を走ります。エイドはCPしかないので、途中のコンビニによりながら給水給食をしました。石和市内を抜けて20kmを過ぎるあたりからは、だんだんと山の風景に変わっていきます。広瀬湖でも標高が1000m以上あるので、なだらかな上りが延々と続きます。普段のウルトラマラソンなら上りは積極的に歩くのですが、今から歩いていては制限時間に間に合わなくなってしまうので、走って上っていきました。そしてやっと第1CPに到着しました。

広瀬湖(第1CP)33・3km 4時間08分(10:08)

CPに着くと、まずスタッフに到着時間のチェックをしてもらいます。ここでは、冷麦を頂きました。この先の山登りに備えてしっかりと給食をして、水を補給して出発しました。2kmほど走ると登山道に入ります。最初のうちは、まだ走れる道なのですが、37・5km地点からは本格的な登山道に入ります。最初は渓流に沿って石がゴロゴロしている場所をよじ登って行きます。渓流の水は冷たくて顔を洗ってさっぱりしました。その後、つづらおりの登山道を頂上目指して進みます。普段、ロードしか走っていない私にとっては慣れない山道で苦戦しながら進みました。標高が上がるにつれて、景色が良くなっていくのですが、傾斜も急になってきて、息を切らしながら休み休み登りました。登ること約2時間、やっと頂上に到着しました。景色は絶景ですが、楽しんでいる時間も無く、一息ついて、ちょっと下ったところにある雁坂峠小屋に向かいました。

 雁坂峠小屋(第2CP)42・0km 6時間27分(12:27)

「やっと着いた~」という感じで到着しました。8.7km進むのに2時間19分もかかりました。ここでではカップラーメンが食べられます。スタッフが担いで運んだそうで感謝です。カップラーメンを頂き、湧き水で給水をして出発しました。ここからは下りです。気持ちよく一気に下ろうと思っていましたが、しかし、ここからの下りで地獄を見ることになりました。普段、山に行くことなどない私は、どのように降りればいいのか分らず、足場の悪い、滑りやすい道を恐る恐る下ります。慣れているランナーはピョンピョンと下って行くのですが、そんなランナーに道を譲りながら、慎重に降りました。それでもこけてしまい左ヒザから流血するし、何度も尻もちをついて泥だらけになるし、完全に戦意喪失状態になりながら下りました。そんなさなか山の中に目をやると、なんとカモシカがこちらを見ていました。クマじゃなくて良かったですよ。その後も、だいぶ下ってきて国道を通る車の音が聞こえてくるのですが、いつまでたっても登山道が終わりません。ほとんど半泣きのような状態になりながら、下り始めて約2時間20分、約8kmの登山道の出口までやっとの思いで来ました。そこから、舗装された道をしばらく走ると第3CPに到着しました。

 扇屋山荘(第3CP)52・0km 8時間45分(14:45)

ここではカレーライスが食べられます。必死の思いで登山道を下ってきてお腹が空いていたので大盛りにしてもらいました。しっかりと給食をして出発をしました。ここからは舗装されているロードの道なのである程度、計算をしながら進めます。残りあと91kmで時間は15時間あるので、そこそこ進んでいれば完走はできそうです。国道140号を秩父に向かって進みます。山沿いなので国道にはトンネルがあるのですが、ランナーはトンネルを行かずに旧道を上って下って行きます。それでも走れる道なので順調に走れました。途中でサルに遭遇してビックリしました。秩父湖の脇を通り、小さな上り下りを繰り返しながら順調に走り、第4CPを目指しました。

 大達原バス停前(第4CP)67・5km 10時間42分(16:42)

ここでは軽食でロールパンがありました。さきほどカレー大盛りを食べたのですが、次のエイド距離があるので、しっかりとオレンジジュースとロールパンを頂き、出発しました。国道140号を秩父市街に向かって走ります。日も傾いてきて、だんだんと暗くなってきたので安全のためライトを装着しました。エイド間が長いので途中の自販機で何度か給水をして、休憩をしながら行きました。今回は山の中を走ったり、エイド間が長かったりするので、非常食をバックに入れて走っていました。距離表示が無いので距離感が分らず、風景は市街地に近づいてきている感じなのですが、なかなかエイドに到着しません。市街地は信号も多く、他の歩行者も多いので無理に走らず進んでいると第5CPに到着しました。

 秩父市熊木商店(第5CP)85・0km 13時間05分(19:05)

ここではお粥を頂きました。後半になって周りのランナーもだいぶ疲れている人が多くて、みんな座って休んでいました。ここは駅も近いのでリタイヤするには一番都合がいい場所のせいか(リタイヤは基本的に自力でゴールまで戻ってこなければなりません。)リタイヤするランナーが多く出ます。そんなランナーを横目に、私はゴールを目指して出発しました。出発してすぐに国道299号線に入ります。時間的にも余裕があるので無理に走らず歩きを入れながら進みました。市街地を離れ、夜の国道を仲間のランナーと話しをしながら進みました。95・5km地点から後半の難関「正丸峠」に向かいます。国道を真っ直ぐ進み正丸トンネルをくぐれば近いのですが、わざわざ峠を越すコース設定になっています。峠の道は当然のことながら上りなのですが歩いているのでさほど苦にはなりません。真っ暗で、たまに車が通る程度の道を上っていき、標高636mの正丸峠の頂上付近が第6CPになります。

 正丸峠名栗げんきプラザ先(第6CP)99・3km 15時間39分(21:39)

ここではラーメンが食べられます。チャーシュー、ゆで卵入りのラーメンを頂き、水分を補給して出発しました。ここからは峠の下りです。100kmも越して残りフルマラソンほどの距離になり、走って下るランナーが多く、私も走ったのですが、食べたすぐで横腹が痛くなったので、仕方なく歩きました。5kmほど下り、国道に戻ってきました。ランナーもまばらになり、夜の国道を一人で黙々と進みました。この辺は、改造をした車で猛スピードで走りぬけていくローリング族が多くて、何度かヒヤッとすることがありました。しばらく進んで行くと暗闇の中に明かりが見えてきて第7CPに到着しました。

 ロックガーデンカフェ(第7CP)110・2km 17時間32分(23:32)

ここでは、炊き込みご飯を頂きました。塩気が効いていておいしかったです。そして、一息ついて暗闇の国道に出発しました。何も無い真っ暗な国道を一人で進んで行くのは精神的につらいのですが、周りにランナーもおらず、仕方なく一人で進みました。歩くことが多くなっていましたが、抜いていくランナーもおらず、この辺にくるとみんな歩いているようでした。歩いていると距離もなかなか進まず、そんな状態で約2時間、一人で進み、第8CPに到着しました。

 久保交差点手前(第8CP)124・6km 19時間48秒(1:48)

最後のCPです。ここでは、トロロイクラ丼を頂きました。毎年、ここに来るまでに胃をやられて食べられない人が多いということでしたが、私の胃は元気だったので、おいしく頂きました。そして最後のエイドを後にしてゴールに向かって出発しました。制限時間までは残り18kmで4時間ほどあったので、計算をして歩いて進みました。先ほどまでは脚に余裕があったのですが、ここにきて急にきつくなってきました。雁坂峠の上り下りで、脚には大きな負担があり、想像以上に疲労したようで、ここにきてその影響が出てきました。それは脚だけでなく、腹筋、背筋、腰と山登りで使った体中の筋肉が悲鳴を挙げだしました。普段は気にならない、背負っているバックも負担になってきました。さらに一人で歩いていると睡魔が襲ってきました。そんな状態ですが、気持ちを前向きにして、ペースを維持してゴールを目指して前へ進みました。市街地になって信号も増えてきて、自分のペースで進むのが難しくなってきました。ゴールが近づくにつれて、空が薄っすらと明るくなってきました。夜間走のときの夜明けは、何よりも元気になります。140kmを越すころには日も出てきて明るくなり、ライトをしまい、ゴールを目指しました。ゴール間近の交差点(間違いやすいポイント)で、3人のランナーが地図を見て道を確認していました。私も加わり見たのですが、やはりどちらに進めばいいのか判断がつきません。ここで間違っては大変なので、後からくるランナーを待ちましたが、しばらく待っても後方からランナーがこないので、コースを戻って確認をしに行きました。そこに後方から経験者ランナーが走ってきたのでコースを教えてもらいました。そして、その先も住宅街の分りづらい道を進み、しばらく走るとゴールの湯遊ランドが見えました。スタッフに誘導されて、駐車場の入り口から入るとゴールテープが用意されていました。写真を撮るので、みんな順番にゴールテープを切ってゴールしました。

 川越湯遊ランド(ゴール)143・0km 23時間13分(5:13)

ゴールでは主催者の館山さんが握手で迎えてくれました。体はかなり疲労があり、筋肉が痛いくらいボロボロでしたが、精神的にはまだ余裕があったので、周りのランナーやスタッフと健闘を称え合いました。その後、預けておいた荷物を受け取り、健康ランドでゆっくりとお風呂に入り、先にゴールをしていた仲間と缶ビールで祝杯を挙げました。早くゴールをしたランナーは大広間で仮眠をしていましたが、私はそのまますぐ帰ってきました。脚の筋肉痛は当然ですが、山登りで普段は使っていない筋肉を使ったようで、体中が筋肉痛のような状態になっています。標高2000m以上の雁坂峠を越すということで、スタート前にコースの厳しさは覚悟していたのですが、想像をしていたよりも遥かにきついコースで、苦戦を強いられました。私もまだまだ修行が足りないようです。とはいえ、時間内に無事に完走できて良かったです。

ポイント累計距離区間距離累計タイム区間タイム時間
甲府駅北口0km 0:00・00 6:00
広瀬湖33・333・34:08・084:08・0810:08
雁坂小屋42・08・76:27・442:19・3512:27
扇屋山荘52・010・08:45・152:17・3014:45
大連原バス停67・515・510:42・231:57・0816:42
熊木商店85・017・513:05・002:22・3719:05
名栗げんきプラザ99・314・315:39・562:34・5521:39
ロックガーデンカフェ110・210・917:32・451:52・4923:32
久保交差点124・614・419:48・032:15・1801:48
湯遊ランド143・018・423:13・243:25・2005:13
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