2006/10/14 2006年えちご・くびき野100kmマラソン大会

ウルトラ完走記

山あり、山あり、また山あり。5つの峠を越すハードなコースを走ってきました。

2006年10月に走った「えちご・くびき野100kmマラソン大会」の完走記です。

「えちご・くびき野100kmマラソン大会」完走記

2006年10月14日「えちご・くびき野100kmマラソン大会」に出場しました。1月の宮古島に続き、今年2回目の100kmマラソンです。この大会は、2年に1度、新潟県の上越市で開催される大会で、5つの峠越えがあるハードなコースと、地元の大歓迎が名物の大会です。ハードなコースなうえ、制限時間が13時間30分ということで、私にとっては容易に完走できるとは思えず、今回はしっかりトレーニングをして、体重も落として万全な体制で参加しました。

大会前日

13日(金)の午前中に、池袋から高速バスに乗って、直江津駅に向かう予定で家を出ました。ところが、池袋に向かう電車が車両故障で遅れてしまい、バスの発車時間に間に合わず、乗り損ねてしまい、急慮、予定を変更し、電車で行くことになりました。みどりの窓口でキップ(新幹線+特急はくたか)を買って、直江津に向かいました。高速バスに比べ、電車は速いので、予定よりも2時間くらい早く直江津に到着しました。直江津駅前から会場行きのバスに乗り、受付会場であり、明日のスタート地点となる、リージョンプラザ上越に向かいました。まず受付を済ませて、会場内の展示ブースや物産販売を見て、宿泊するホテルに向かいました。ホテル到着後、明日の朝ご飯の買出しに行って、お風呂に入って、晩ご飯を食べて、部屋に戻り、コース図を見たり、ゼッケンを付けたりして、走る準備をしました。大会のスタートは5時30分なので、2時45分に起床予定で、21時頃には消灯しました。

大会当日

当日は予定どおりに起床して、昨日買っておいた朝ご飯(オニギリ3個、味噌汁)を食べて、走る準備をして、4時にチェックアウトをして、バスで会場に向かいました。会場に到着したら、すでにランナーがたくさんいて盛り上がっていました。ゴール行きの荷物を預けて、今回共に走る走友のハセガワ君と合流しました。5時から出発式が行われ、その後スタート地点に移動して、ランナーの興奮が高まるなか、スタートに向けてのカウントダウンがされました。そして5時30分の号砲と共に長い一日がスタートしました。

スタート -絶好調に走る-

まだ、日の出前でしたが、空は薄っすらと明るくなってきていました。この時の気温は13度くらいでしたが、予報では最高気温が25度くらいになるとのことだったので半袖で走りました。ハセガワ君と話しをしながら、のんびりと走っていたのですが、時計を見ると100kmのペースとしてはちょっと速い1km6分を切るタイムで走っていました。だけど、調子も良く、無理にペースダウンすることもないので、そのままのペースで順調に進んでいきました。沿道には、朝早くから地元の方たちが応援に出ていてくれて、ウワサどおりの大歓迎を受けながら気分良く走れました。エイドでも地元のボランティアの方たちが飲み物や食べ物を用意して待っていてくれました。米どころの新潟のせいか、こしひかりのオニギリが置いてあるエイドが多く、エネルギー補給にはとても助かりました。20km過ぎまでハセガワ君といっしょに走りましたが、トイレ休憩の間に私は先に行き、この先は一人で走りました。30km過ぎから1つ目の峠越えが始まりました。標高344mまで上る、かなりの上りでしたが、まだ前半ということで問題なく上りました。下りは、かなり急で、脚には負担がかかり、後半に向けて不安でしたが、とりあえず順調に下りきりました。その後、すぐに2つ目の峠越えが始まりました。この上りも順調に上り、頂上付近のフルマラソン地点は4時間04分で通過しました。ペースとしては、1km6分を切るようなペースで速過ぎだとは思いましたが、ペースを落とすこともなく走り続けました。そしてこの先、約5km下りが続きました。下りなのでペースは上がるのですが、5kmの下りはさすがにつらく「まだ下るのか~」という気分でした。そしてやっと下りきって、47・4kmの中間エイドに着きました。食べ物や飲み物がたくさん用意されていたので、私もオニギリとトン汁を頂きました。まだダメージもさほどなく、軽くストレッチをして、再びスタートしました。50km手前から3つ目の峠越えが始まります。上り始めて間もなく、

中間点 -大丈夫なのか?-

50km地点を4時間52分12秒で通過しました。今までの100kmのときは、だいたい6時間前後を目安に通過していたのですが、今回はそれを大きく上回り、調子が良くてこのままのペースでいけるのか?ただ単にオーバーペースなのか?・・・どちらにしても今さら取り返しがつかないので、このままのペースを維持して走り続けました。この頃には、気温も高くなってきて、エイドでの水分補給が欠かせなくなってきました。今回の大会は、100kmの間にエイドが38ヶ所とすごく多いのですが、峠を越えている最中は、山の中のせいかエイドの間の距離があって、次のエイドが遠く感じました。そんなことを感じながら、3つ目の峠も越して、このコースの最大の難所である4つ目の峠に差し掛かりました。ここの上りは、距離は短いのですが、その分、今までの中でも最も急で、みんな顔を歪めながら上っていました。いつもなら、後半の上りは歩いている人も多いのですが、やはり、かなりペースの速いグループで走っていたので、みんな走っていました。なので、私も顔を歪めながら、なんとか走って上りました。上りきって一息ついたら、今度は延々と下りが続きます。すでに60km以上走ってきているので、下りでかかる脚の負担に絶えるのはかなりつらく、気を抜くと前につんのめりそうになります。そんな状態で5kmくらい続く下りをなんとか下り終えました。

70km -そうは問屋が卸さない-

ここまで順調にいいペースで走ってきたのですが、さすがに脚もつらくなってきて、70km手前から急にペースダウンするようになりました。こうなると、この先の距離が長いこと長いこと。意識レベルが下がってくるなか、道路の白線を見ながら、一歩一歩脚を前に出して、黙々と走りました。そして、5つ目の峠越えが始まりました。この峠は、今までの4つに比べれば小さな峠なのですが、ヘロヘロ状態での上りは、気が遠くなりました。今まで大会だったら歩いてしまうところですが、ここで夏場に走り込んだ成果が現れ、歩くことなく、ゆっくりながらも走り続けることができました。そんな状態でなんとか、78・6kmのレストエイドに到着しました。ブルーシートの上に上がってストレッチをして、エアーサロンパスを両足にかけて、ウドンを2杯食べて、給水をして、頭から水をかぶって、再びスタートしました。ここからは平坦な道が続くので、ひたすらゴールに向けて進むだけです。あまりのきつさに自問自答しながら「なんで走っているんだろう?」なんて思っていると、目頭が熱くなり、涙しながら、それでもゴールしたいという気持ちが勝つので、止めることはせずにゴールに向かって走り続けました。沿道の声援に背中を押されながら、約3kmごとにあるエイドに立ち寄り、力をもらい、走り続けました。85・7kmのエイドでは、オバちゃんに勧められてオニギリと味噌汁を頂きました。後半になると、エイドで給食や給水以外に、走るパワーをもらえことを実感し、ただただ感謝をしながらゴールを目指しました。

90km -奇跡の復活-

そんなことを思いながら、その後も走り続けていると、不思議なこと復活してきました。脚は痛いのですが、ペースは1km6分30秒くらいまで戻り、精神的にもちょっと余裕が出てきました。90km過ぎからは、日本海を望んで走るコースになります。日本海に沈む夕日を見ながら走るつもりだったのですが、予定よりもだいぶ速いタイムで走っていたため、夕日を見ることはできませんでした。92・2kmのエイドで名物の海賊鍋(カニなどの魚介類が入った味噌汁)を頂き、こしひかりのオニギリを食べて、最後のパワーを補給しました。その後、コースは日本海を離れ、ゴールのユートピアくびき希望館に向かいます。沿道には、暗くなったときのための移動照明が用意されていましたが、まだ明るく、照明の世話にならずに済みました。ゴールの500mくらい手前から沿道の声援も多くなり、いよいよゴールが近づいてきたなぁ~と感じながら走りました。

ゴール -感動のゴルゴルゴール!-

最後の交差点を曲がり、300m先にゴールゲートが見えました。両サイドの大声援の中を走る、ウルトラマラソンの中で最高の時間です。会場のアナウンスで「神奈川のタツミさん、ゴールです!」と名前を呼ばれ、最後は赤いじゅうたんの上を走り、ゴールテープを切って、無事にゴール!タイムは10時間37分37秒と、今までのベストタイムを2時間17分縮める大ベストタイムでした。ゴール後)

ゴール後

ゴールしてすぐに、地元の中学生が完走メダルをかけてくれて、イスのある休憩所まで連れて行ってくれました。3人一組でゴールした人の面倒をみてくれるのですが、荷物を取って来てくれたり、食べ物や飲み物を持ってきてくれたりしてくれます。ヘロヘロ状態の私にとっては、ホント感謝感謝で、いくらお礼を言っても足りないくらいの世話をしてくれました。その後、しばらく100kmの完走に浸りながら、会場でボーとしていましたが、落ち着いてきたので、重い腰を上げて、シャワーを浴びにいきました。さっぱりしてから、会場でウドンを食べながら、ハセガワ君のゴールを待ちました。間もなく、ハセガワ君のゴールのアナウンスが聞こえてきたのでゴール地点に出迎えにいきました。そしてはせがわ君も無事にゴールをし、2人で健闘を称えあいました。その後、バスでスタート地点のリージョンプラザ上越に戻り、ここでハセガワ君とは別れ、私は、近くの健康ランドに行きました。帰りのバスまで時間があるので、ゆっくりとお風呂に入って、ご飯を食べて、のんびりと過ごしました。バスの時間に合わせて直江津駅に向かい、夜行高速バスに乗り、帰ってきました。

振り返って

行きにバスの乗り遅れるというアクシデントに見舞われ、先行きどうなるかと不安な出だしでしたが、すごくいい大会になりました。ウワサどおり、とてもハードなコースで、ウルトラの醍醐味を味わえたし、それ以上に地元の方の声援や、ボランティアの方に支えられて、すごく楽しむ事ができました。タイムも、当初は明るいうちに(12時間くらい)ゴールできるかなぁ~なんて考えていたのですが、思いのほか順調に走れ、いいタイムが出ました。夏場に走り込んだ成果が出て、それが結果となったと思うと、とてもうれしいです。100km走ったので、体にダメージはあるものの、脚の筋肉痛は、ほどよい程度で済んでいます。2年に1度なので、また2年後には出たいと思っています。

ラップタイム

5km28・49  
10km57・10(28・20) 
15km1:25・50(28・40) 
20km1:54・30(28・40) 
25km2:22・57(28・26) 
30km2:52・00(29・02) 
35km3:22・43(30・43) 
40km3:52・08(29・24) 
(フル)4:04・00  
45km4:20・29(28・21) 
50km4:52・12(31・42) 
55km5:21・18(29・06) 
60km5:51・49(30・31) 
65km6:20・06(28・16) 
70km6:54・13(34・07) 
75km7:30・59(36・46) 
80km8:12・46(41・46) 
85km8:52・52(40・06) 
90km9:26・24(33・31) 
95km10:04・10(37・46) 
100km10:37・37(33・27) 
    
タイトルとURLをコピーしました